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【気象予報士試験を独学で合格したい方必見】独学2回目で合格した勉強法と使用した参考書とは?

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 気象予報士試験を受けてみたいけど、とりあえず独学でやってみようかな?と考えている方には特に読んでほしいです。完全に最後まで独学…というと、添削だけは受けたので違うかもしれませんが、それでも2年間の勉強は全て独学です。

 
 わたしは現在のところ気象予報士資格を有するものの、予報業務をしているわけではありません。しかし、テレビでお馴染みの気象予報士さんと同じ試験を合格してきているので、試験の話であれば参考になる話はできるかもしれません。

 

 わたしは第34回気象予報士試験に合格することができました。令和3年時点では試験も50回を超えていますので、合格したのはだいぶ以前なんですが、平均合格率5.5%の難関試験に独学で合格できたのはなぜか、自分なりに改めて考えてみました。よく考えたら、これまで人にこういうの伝える機会がなかったなと思います。さて、このページをご覧になられている方であれば気象予報士試験の概要はご存知だと思うので、勉強方法のみお伝えします。

 

 その前に、気象予報士についてですが、気象業界は気象予報士が飽和しているといわれています。これから気象予報士になろうって考えている方、予報業務は狭き門かもしれません。でも、日本気象予報士会を見ても本当にいろんな業種の方がいます。

 

 例えば、防災分野では気象庁が市役所の防災危機管理部局に気象予報士を派遣する事業が行われ始めていますし、また、災害対策基本法が改正されて避難行動要支援者の個別避難計画の義務化や、水防法・土砂災害防止法の改正により高齢者施設等の避難確保計画の作成が義務化されるなど、気象予報士の中間支援について社会的な需要が高まっています。行政においても地域に密着したきめ細やかな気象の知識が求められていますので、これからは新しい形の気象予報士が誕生してくると思っています。

 

 わたしは釣りをするので海の天気や風を知りたいので天気図の知識があるのはとても助かっていますし、登山をする方は気象の知識が生死を分けることがあるかもしれません。気象予報士の社会的ニーズは予報業務だけに留まらずポテンシャルの高い資格と言えると思います。

 

 

気象予報士試験は難関資格?

 気象予報士試験はさっきも書きましたが、平均合格率5.5%で、国家試験の中では難しいほうに分類されると思います。ユーキャンのホームページでは、国家資格・難易度別一覧というものが公表されており、気象予報士行政書士社会保険労務士司法書士と並んで難関資格に位置付けられています。

 

 しかし、本当に難関資格なのか?というと、必ずしもそうは思いません。なぜなら、努力したら取れる資格だからです。自分は理系ですが、もともと数学はそこまで得意ではなく、気象予報士試験に合格したい!と思って購入した書籍(一般気象学といって、気象予報士試験の登竜門とも呼ばれる名著)に全く歯が立たず、すぐに嫌になってしまいました。でも、今から紹介する書籍、勉強方法を実践することで、無事2回目の試験で合格することができました。

 

 これから勉強を始める方に、難関資格ですか?と聞かれたら、努力は必要ですねと答えるようにしています。でも、努力したら必ず合格できます。文系・理系、高卒、大卒問わずです。それくらい、勉強方法次第では合格できる資格だと思っています。

 

その1:気象予報士試験に独学で合格するための道筋を描く

 気象予報士試験には学科免除制度がありますよね。学科試験①(学科一般)、学科試験②(専門試験)については、一度合格すると1年間(試験2回分)免除されます。これを生かし、合格までの道筋を描きます。

 

【パターン①】

1回目・・学科①(一般)合格
2回目・・学科②(専門)合格
3回目・・実技試験合格
※一般と専門の順番は逆でもよい

 

【パターン②】

1回目・・学科①(一般)、学科②(専門)合格
2回目・・実技試験合格

 

このどちらかになります。自分はパターン②でしたが、これはそれぞれメリット・デメリットがあります。

 

パターン①はじっくりと学習し、試験に向き合うことができる一方で、3回目の試験で落ちるとまた学科試験がひとつ復活してしまいます。パターン②は実技試験のチャンスが2回ありますが、学科試験を合格できるレベルにまでもっていかなければなりません。

 

これから勉強する方にとって、気象予報士試験がどんな試験なのか、なかなかイメージが湧かないかと思いますが、学科試験を2つ合格できる力があれば実技試験を突破できるだけの基礎はすでに身についています。

 

話がそれました。道筋を描く=「直近の試験でどこまで合格するか」ということです。学科試験の①(一般)だけ、②(専門)だけ、①②両方(一般及び専門)、この3パターンです。学科免除制度を使わない手はありません。

 

その2:最初に気象予報士試験最大の壁がやってくる

気象予報士試験で一番の難所は最初にやってきます。太陽系の勉強をして、対流圏やら成層圏やら、大気の鉛直構造を勉強して、その次が熱力学ですよね。ここで挫折をする人は非常に多いと思います。気体の状態方程式やら、層厚の式、熱力学第一法則など、いきなり複雑な数式が出てきます。わたしも一般気象学で熱力学のところで挫折しました。

 

でも、大丈夫です。これらの数式も、理解できるようになる書籍を紹介します。

 

熱力学で挫折したあと、もう一度やってみようと思ったとき、次の2冊で勉強をしました。

 

一般気象学はまちがいなく名著です。でも、勉強し始めたばかりの方が読む本ではありません。わたしがすぐに挫折したのは一般気象学から入ったからです。一般気象学は試験に合格できるレベルに到達してから読み、最終的に理解できればOKです。全て理解できなくてもOKです。

 

【使用した参考書・テキスト】

最新気象学のキホンがよ~くわかる本/岩槻秀明 (著)

 

イラスト図解 よくわかる気象学/中島俊夫 (著)

 

さて、熱力学を乗り切ればこっちのもんです。これらの参考書には熱力学の説明がとても詳しくされています。理解できなくても、気にせずに読み進めてください。

 

2回目を読むと理解が深まります。例えば、熱力学第一法則は学科試験で最も重要な数式の1つです。

 

数式といっても、計算ではなく、「空気が上昇して気圧が下がると膨張する」→「空気が膨張するとそのために内部エネルギーが使われる」→(エネルギーは保存されるので)気温が低下する」といったことを数式で確認するくせを身につけることが重要です。文章で書いたことを簡潔に表現するために数式があるのです。

 

特に中島先生の本は本当にわかりやすいです。しっかりと数式で現象を理解するという感覚が身につきます。

 

その3:専門試験は実務に触れることが合格の近道

試験に覚えることはつきものですが、気象予報士試験とはいえそれは同じです。原理が理解できなければ覚えてしまうのもありです。

 

また、学科専門試験は覚えることが本当に多いです。それも、聞きなれない言葉が多いです。数値予報とかアンサンブル予報とか、ガイダンスとか言われても、予報業務に携わっていないと全く分からないと思います。

 

テキストだけでなく、気象庁ホームページや気象庁が毎年発行する「気象業務はいま」という本を読むと、写真や図で理解できるのでイメージしやすくなります。また、地元気象台の現業室なんかを見せてもらう機会があれば絶対に見ておいて損はありません。

 

このように、専門試験はテキストだけでなく、少し実務的な部分に触れることが大切です。また、専門試験では天気予報文の書き方を知ることが合格の近道です。普段の天気予報をみるとき、予報文まで確認するようにしてみてください。(例:晴れ時々くもり 北の風 のち やや強く 海上では・・みたいなやつです)毎日、そういうのを見ていれば、実務的な力が身についていくと思います。

 

天気予報文はこちらのページで詳しく紹介していますので、ご覧ください。 

sugichanel.com

 

その4:実技試験は国語の試験、勉強法はキーワードを抑えること

実技試験はなにをするの?と思う方も多いと思いますが、筆記試験です。2つの筆記試験があり、総得点で70%以上が合格ラインです。学科試験2つ合格している受験生が実技試験のみを受験すると合格率は5.5%の数倍に跳ね上がります。さっきも言いましたが、学科試験合格できる実力があれば、実技試験を初めて挑戦しても5~6割は取れます。7割にもっていくために必要なのはキーワードと文章のテンプレを覚えてしまうことです。

 

実技試験は国語の試験です。なぜなら、頭ではなんとなくわかっていることを60字以内でまとめなさい、という手の問題が多いからです。ここで重要なことは、回答には必ずキーワードが入るということ。

 

例えば、冬型の気圧配置ですと、「気団変質」や「山雪型」などがキーワードになるでしょう。過去問の解答例から、よく使われる表現を覚えてしまいましょう。(テンプレ化)

 

実技試験で一番大切なのは、限られた時間の中でいかに言いたいことを文章としてまとめられるかというところです。そのためにテンプレ化は必須です。例えば…海から陸に向かって一般風が吹いている状況を文章で書きたければ「向岸風が吹いている」と書けばすっきりします。

 

このように、解答例から言い回しやキーワードをテンプレ化して暗記しておくことは合格の近道だと思います。わたしは過去問を解いたあと、解答例から言い回しやキーワードを暗記していました。記事に需要があれば、過去問でよく使われる言い回し等を別記事で書いていきますね。

 

逆に、自己採点するときには、解答例が求めるキーワードが入っていないと減点の対象となります。ブロガーならSEO対策でキーワードとか考えますよね?それと同じです!

 

ただ、実技試験だけは通信教育くらいすることをお勧めします。採点してもらえるし、やはり自己採点だと不安なので。わたしも実技だけは通信教育を受けました。

 

いかがでしたか?合格したばかりの頃に書いたブログを見ながら執筆したので、わりと具体的なことは書いたつもりです。試験を受けようか悩んでいる方や、独学でいこうか悩んでいる方に参考になれば幸いです。