みなさんは天気予報が外れて「服装間違えた〜っ!」とか、急な雨で「今日天気予報で雨が降るなんて言ってなかったぞ〜?!」って経験、ありませんか?
すぎちゃんは気象予報士の資格を持っていますが、そんなことしょっちゅうです。自分で予報もしなければそこまで天気予報を見ていないのもありますが。笑
天気予報にはある特徴がありますから、天気予報の晴れマークや雨マークをただ見るだけじゃなくて、ほんの少しだけ丁寧に見るだけで、上手く活用することができるようになりますよ。今回は、天気予報の癖(得意・不得意)についてお話しします。
天気予報の精度はどれくらい?
まず天気予報って絶対当たるものではありません。(体感と経験でわかりますね)
じゃあどれくらい当たるもんなん?っていうと、気象庁が月単位で天気予報の精度を検証し、その結果をホームページで発表しています。
検証項目は次の3点です。
・降水の有無の適中率
・最高気温の予報誤差
・最低気温の予報誤差
2021年2月時点の予報の精度は簡単に言えば、降水の有無の適中率は全国平均で83%です。雨の予報を100回すれば83回は降水有りってことです。
でもこれ注意が必要で、1mm以上の雨が降って初めて降水有りとしているので、パラっときたかな?ぐらいの雨は降水なしとしています。
どうですか?天気予報で雨予報だと83%で当たります。
でもこれには地域差、時期よって差があることを覚えておいてください。
地域差では沖縄です。沖縄は雨予報の精度は他の地域に比べてよくありません。(77~78%)これは地形が影響していて、島嶼(しょ)ならではの課題と言えるのかもしれません。
季節による違いはどうでしょうか。夏は全国的に少し精度が悪くて、関東で77%です。しかも夏は夕立のようにすごく狭い範囲で雨が降ると、自分の頭上では降らないこともありますから、感覚的にはもっと当たらないなぁ・・という感じになると思います。
でもどうですか?2割近くは外れるってことは、晴れやくもりの予報でも雨が降っちゃうこともあるってことですね。
天気予報を上手く使おう
天気予報はコンピュータが行い、気象庁の予報官や民間だと気象予報士が人の手でその出力された予報を修正します。人の手を加えているんですね。なぜなら、コンピュータにも得意不得意があるからです。そこを人が補うってことです。例えば、過去のデータみても、ここはなぜか気温が高めに出力されるんだよなぁとか、風が強く出すぎている、なんて時は経験に基づいて気象予報士が修正をするわけです。まさにここが気象予報士の腕の見せ所、と話が逸れました。
なんとなくみなさんもイメージできると思いますが、予報期間が先になればなるほど(1週間先、2週間先など)、予報精度は落ちます。先のことは誤差が大きくなるってことです。でも当たりやすい流れのときもあるため、週間予報にはABCの信頼度たるものがあります。
例え1週間先の予報でも、当たらんやろどうせ、ではなくて信頼度も見てください。気象庁の週間天気予報で信頼度も併せて公表されています。
また、夕立みたいに狭い範囲で降る雨なんかも予測が苦手だったりします。(近年はだいぶ技術が進歩しましたが)
一方で、雨予想が当たりやすいのは天気図でみられるような大きな低気圧が原因となる場合です。
ん?雨は低気圧のときに降るんだよね?全部得意なんじゃないの?と思われるかもしれません。確かにそうなんですが、雨を降らせる原因となる現象はスケールが小さいものから大きいものまであって、天気図で前線を伴っているような低気圧だと大きくて、精度よく予想ができるので、外れることはあまりありません。
天気予報を活用するのであれば、明日は雨マークついてるな~って思ったら天気図もぜひ見てください。低やLのマークがついていて、そこから前線が伸びているような低気圧(温帯低気圧)が西からきていれば雨の可能性大です。(天気予報も自信もって雨マーク)
さっき、夏の天気は当たりにくいって言いました。これは夕立がそうなんですが、夕立は精度よく予想できません。夕立の原因となる積乱雲(モクモクした入道雲が発達してできる雲。雷を伴う雲)はスケールが小さく、コンピュータが得意としない現象です。なので夕立が降りやすい気象状況であることは予想できても、どこで?というのは予想できません。
また、梅雨時期も天気予報は当たりにくいです。晴れ予想はあまりありませんが、曇りマークでもバンバン予想外れて雨になることあります。逆もしかり。温帯低気圧が「面」であれば、梅雨前線は「線」だと考えてください。面的に雨を降らせる予想より、線状に雨を降らせる現象の予想のほうが難しいのは何となく想像がつきませんか?
まとめると、
・梅雨期~夏期は雨を降らせる雲、雲域が狭く、予報が外れて予想外の雨が降ることも。(外れやすい)
・春や秋に多い温帯低気圧(低気圧から前線が伸びているもの)は面的に雨を降らせるので、予報通り天気がぐずつくことが多い。(当たりやすい)
こんなところでしょうか。
曇りや雨予報の時はレーダーを駆使する
曇りや雨予報のときは外に出て雨が降っていればいいんですが、どんよりした空の時が一番困りますよね。傘持っていったらいいのか?折りたたみでいいのか?これならもつかな?といろいろ考えてしまいます。服装や履いていく靴も悩みますよね。
レーダーを見る癖をつけるといいかもしれません。今は降水短時間予報といって、15時間先まで、どのあたりで雨が降るのか・・というところまで予報が出ています。天気予報って雨マークとか晴れマークだけじゃありません。レーダーを駆使すれば、自分のいる場所がどれくらい先に雨が降ってくるのか、ということが分かります。(予想ですが)
今はスマートフォンのアプリで気象レーダーのアプリも充実しており、雨が降りそうな雲がやってきたらお知らせしてくれるものもありますから、ぜひインストールしておいてください。
アウトドアをする人にはもはや不要な説明ですね。
天気予報を上手く使う方法として、曇り、雨の予報のときは降水短時間予報やレーダーも見るようにする。これだけで雨でびしょ濡れになったり、洗濯物が雨ざらしになってしまう回数はグンと減らせます。
いかがでしたか?天気予報は私たちの暮らしに密着した欠かせない情報ですよね。私たちの生活に密着したものだからこそ、こんな話は常識だよ!っていう方もいたかもしれません。次回はもう少し踏み込んだ話をしようと思います。
すぎちゃん