最近ではセルフも多くなりましたが、今日はガソリンスタンドの防災機能のお話です。
阪神・淡路大震災でガソリンスタンドの火災が0件だったことはご存知ですか?実はガソリンスタンドは災害にめちゃくちゃ強いんです。
ガソリンスタンドが災害に強い理由
災害時の避難場所っていうとまずは学校を思い浮かべますよね?でも、大きな地震が発生して、すぐに学校へ避難して・・・体育館の中に入れるかって言ったら、入ってはいけません。
なぜだかわかりますか?
学校は耐震補強されているところがほとんどですので、建物そのものが倒壊するリスクは低いと思いますが、非構造部材といって、耐震には関係のないもの、例えばバスケットゴールや照明、あるいは天井そのものなどが落ちてくる危険性はあります。
学校は、「応急危険度判定」といって、地震後にその安全性が確認されるまで、避難したいからといって、本来中に入ることはできません。
ガソリンスタンドは屋外ですが、消防法や建築基準法などで構造上、耐火上、厳しい基準が適用されており、他の建物より耐震・耐火性能という点で優れています。
・・・そりゃ、ガソリン扱う施設ですからね。
こういった理由から、阪神・淡路大震災では神戸市長田区をはじめ、あんなに街が燃えたのに、倒壊や火災の報告はありませんでした。
ガソリンスタンドは災害に強いということを覚えておいて損はないと思います。
ガソリンスタンドの社会的な使命
「住民拠点SS」という言葉をご存知でしょうか?住民拠点サービスステーションのことですが、これは、自家発電設備を備え、災害などが原因の停電時にも継続して地域の住民の方々に給油できるガソリンスタンドです。
このようなガソリンスタンドが今、増え続けていることはご存知でしょうか。
平成28年熊本地震を契機に、災害時の燃料供給について改めて住民のための燃料供給拠点に必要性が認識されたことで、経済産業省資源エネルギー庁が補助金事業として整備を進めています。
この住民拠点SSはまさに、災害時における住民の燃料供給の拠り所であり、その基本情報(運営事業者名、SS名、住所、電話番号等)について、整備の完了したところから適時公表することとされています。
すぎちゃんの住む三重県でも、令和2年3月末時点で102箇所の指定がされています。
このように、ガソリンスタンドには実は災害時にはとっても重要な社会的な使命があるのです。頼りになる存在ってことですね!
万能なガソリンスタンドにも課題がある
とはいうものの、災害時にこれだけ頼りになるガソリンスタンドでも、例えば北海道胆振東部地震で全道ブラックアウトした災害や、東日本大震災ではガソリンスタンドに長蛇の列ができました。
すぎちゃんの友人も、当時関東に住んでおり、東日本大震災のときに自家用車へガソリンを入れるために何時間も並んだ・・ということがありました。
住民拠点SSの整備が進んではいるものの、多数の方が一斉に被災し、一斉にガソリンを買い求めると、燃料不足という課題にはどうしても直面してしまいます。
わたしたちにできること
災害に備えて、普段からわたしたちがやれることをまとめとして書きたいと思います。
まず、「知る」ことです。
住民拠点SSは公表されています。
ぜひ、自宅の近くや通勤・普段のお買い物等のルート上にあるSSを把握しておいてください。
もうひとつは、「こまめな給油」です。
全国石油商業組合と47都道府県の石油組合は、車の燃料を常に満タンにし、暖房用の灯油は1缶余分に備えておくことを推奨しています。
被災地の中で、災害時に燃料の入手に困ったという経験がある人の割合は実に65%にものぼります。3人に2人が災害時にガソリン不足で困るわけです。そりゃ困りますよね、車社会だったらなおさらです。
車だったら、ガソリンを満タンにしておけばアイドリング状態で車内のラジオで情報を集めたり、携帯電話を充電したり、また、冷暖房が使えますので最悪、車中泊なんかもできますね。
いかがでしたか?
例えば、ガソリンのメーターをみて、メモリが半分になったら給油する、といった早めの給油のためのマイルールを作り、こまめな給油を心がけるようにしましょう。